2016.11.26 Research
身近な”塩”を作る“御塩”
11月初旬、小豆島で唯一塩作りをしている”波花堂”さんを訪ねました。
海が目の前に広がる道に、ひっそりとたたずむ小屋、
中に入ると部屋の大半を占める窯からグツグツと塩が煮だされていました。
最初に広がる水蒸気に塩辛さを感じ、
次に部屋の隅にたくさんおかれた謎の壁(?)のようなものに目がいきました。
作り手である蒲さんにお話を聞くと、それは塩から出るカルシウムなど、商品の塩には不要な分のミネラルが結晶化したもので、これを取り除きながら塩ができていくそうです。
※塩は塩田にて2週間程濃度を上げ、窯で結晶化します。
そして今回私が気になったのが、塩の味です。
なぜ、機械で手早く精製された塩とゆっくりと時間をかけて作った塩に味の差がでるのか。
また、旨味を感じるもとの感じないものがあるのはなぜか、
伺ってみると結晶化した時の”大きさ”がポイントのひとつだそうです。
塩は大きいと辛みを感じにくい性質を持つので、塩屋はそのバランスを各自で調整しているため、違いが出ます。
波花堂さんでは、溶けやすく塩味を強く感じすぎない家庭で使うのに、ちょうど良い大きさを商品にしています。また、にがりなどのミネラルを塩と分けた後に入れ直したり、
奇麗な海水の取れる場所で原料を取ったりと様々な要素が、おいしい塩を生み出していることがわかりました。
そのきっかけは奥様の目線での感想だったそうで、
一番近い消費者の満足いく結果を出したいという気持ちで出来上がったそうです。気候や海に恵まれ、たくさんの良いものが作られている小豆島、しかし、恵まれた環境だけではなく、人と人が協力し合っていいものが、生産されている事がわかる土地だと感じました。